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私が最初にインドに降り立ったのは1978年10月。
当時18歳の私には、何もかもが未知の世界だった。
最初は容赦なく降り注ぐ太陽光線と、無数の人々が織りなす生活の匂いで目眩がしそうになった。なんだかとんでもないところに来てしまった不安と、不思議と湧いてくる高揚感に胸が躍った。
好奇心旺盛な私自身でさえ少々「食あたり」となったが、その時から約2年間、このとんでもないデリーに滞在する事になるのだった。
後から思うと、私自身の人生観や物の考え方に大きな影響を与える2年間となった。
最初は圧倒された匂いや音も慣れてくると楽しくなり、ワクワクもする。その匂いは十万軒のレストランのにおいであり、寺院と神社と教会とモスクのにおいであり、香水とスパイスとお香と、切ったばかりの花を売る千の市場のにおいでもある。街では大声とクラクションが一日中鳴り止まないけど、たくましいエネルギーを感じる。
- 代表取締役 水野剛
どこを見ても解放された、束縛されない精神があった。私の心は完全にその精神に感応していた。
人々の生活が苦しいのは確かだったが、彼らには何処にでもいく自由があった。街、いや国そのものが自由なのだ。私はこの国がいっぺんで好きになった。
インド人とはすぐに友達になれる。笑顔がまぶしく異国人にもめっぽう優しい。英語ができるのでコミュニケーションには問題なく、ディープな情報も仕入れやすい。
思うにインドには、国全体が人を包み込む暖かさがある。善も悪も、富めるものも貧しいものも、老いも若きも、生も死も呑み込むガンジスの流れのように、なにもかも許す大きな包容力の様なものを感じる。今や経済の発展ばかりが目立ち、宮殿ホテルや高級リゾートなど、世界中からの旅行者に対応できる環境が 整いつつあるが、本当のインドは田舎にこそある。そこには昔と変わらない、自然と共存する飾らない生活の営みが未だに活きている。
インドはただ佇んで時間に「ひたれる」数少ない国の一つ。
まさに「心のリゾート地」と言える。北は白き神々の座ヒマラヤから西の砂漠地帯に忽然と聳えるラージャスタンの城塞、南インドのヒンドゥー寺院の壮麗さ と迫力は生涯忘れられないだろう。タージマハールやジャイプールのお城も素敵だが、私は街の混沌や、いつまでたっても理解できない謎のインド人が大好きだ。
インドの印象は人それぞれ。さあ、あなたの「インド」を五感で感じて下さい。