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バイシャリ 猿王奉蜜の地(第二結集の地)
2015年01月05日 10:00
竹林精舎と祇園精舎を拠点に遊行し、教えを広めたお釈迦様は、何度となくバイシャリに立ち寄られました。ある時、お釈迦様一行が托鉢をしていると、猿の王がマンゴの蜜を集めお釈迦様に供養しました。
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バイシャリは、リッチャビ族が治めていた国の都で、猿王がマンゴの木から蜜を集めてお釈迦様に奉納した“猿王奉蜜”の舞台です。また「BC337年に第二結集が行われた地」でもあります。お釈迦様の入滅後に8つに分骨された舎利の一部をめた『リリック・ストゥーパー』等、多くの遺跡が残ります。
●バイシャリ遺跡群
バイシャリは、かつてマウリヤ王朝の都が置かれた「パータリプトラ」(現在のビハール州都パトナ)からガンジス河を越え、北へ約80㎞に位置します。ガンジスのスケールの大きさを体感できる、全長5575メートルの大橋梁を渡って訪れますが、橋が開通する1982年以前は、連絡船で1時間30分をかけ河を渡っていました。(お釈迦様がしばしばここを渡られた事から、“ゴータマの渡し”と呼ばれていました。)
バイシャリの遺跡群からは、紀元前2世紀から紀元後5世紀のグプタ王朝期までの、僧院・ストゥーパー・奉献ストゥーパーなどが折り重なるように発掘されています。柱頭部に獅子の像を載せたアショカ王柱も1本残りますが、このアショカ王柱については、アショカ王以降の時代につくられたとの説もあります。(アショカ王:マウリヤ王朝3代目、カリンガーの戦いで戦争の無常さを悟り、仏教を保護し社会福祉の充実に尽力した名君として知られます。)
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●リッチャビ族が仏舎利を納めた リリック(RELIC=ご遺骨)・ストゥーパー
涅槃に入られたお釈迦様は、荼毘に付され舎利は下記の八国に分けられ、さらにアショカ王により7か所のストゥーパ(龍王が保護したラーマガーマのストゥーパを除く)が発掘され、取り出された舎利が84,000箇所に分けたと伝えられます。
1. クシナガラのマルラ族
2. マガダ国のアジャンタシャトル王
3. バイシャリのリッチャビ族
4. カピラ城のシャカ族
5. アラカッパのプリ族
6. ラーマガーマのコーリヤ族※
7. ヴェータデーバのバラモン
8. バーヴァーのマルラ族
その一部を持ち帰ったリッチャビ族は、バイシャリ遺跡群から約3キロ離れた場所にあるリリック・ストーパーに舎利を埋葬しました。
直径12メートルのストゥーパーの基壇の部分のみが、かろうじて残ります。1957年に行われた発掘調査で、石製舎利容器、小さなほら貝、ガラス玉2個、銅貨1枚などが検出されました。舎利容器にはわずかに人骨が納めらており、アショカ王による発掘の際に残されたものと考えられます。容器と仏舎利は現在、パトナ博物館に収蔵されています。貴重な遺跡であるにもかかわらず、発掘後は雨ざらしの状態で長い間放置されていましたが、今はトタンの屋根がつけられています。
池をはさんだ正面に白色の日本山妙法寺の仏塔があります。
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猿王奉蜜の話をテーマにした彫刻は、ガンダーラにもみられますが、サンチー第1塔の北のトラーナ(門塔)の作品が特に秀作です。アグラの南約500キロに位置するサンチーの遺跡では、時間的に別々の場面を、1つのパネルの中に表現する彫刻が多くみられます。「鉢に入れた蜜をお釈迦様に捧げている場面」と、「それをお釈迦様に受け取ってもらい喜ぶ猿王」が、1枚のパネルの中に表現されています。その喜び方が、現在の“ガッツポーズ”と全く同じなのには驚かされます。
この作品では、お釈迦様をパネル左上の台座の上の「菩提樹」として表現しています。仏像が考案される以前の彫刻では、お釈迦様は「菩提樹」・「法輪」・「仏足石」・「ストゥーパー」などで表現されています。これは『本質は、修行によって人それぞれ心の中で理解するもの』という古代インドの考え方があった事と、あまりに尊いお釈迦様を、偶像化する事への抵抗があったためでした。
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●バイシャリでのご宿泊
バイシャリ・レジデンシー(2011年オープン)
このホテルが建つ以前は、まともな宿泊施設がなく、バイシャリの観光はパトナからの日帰りやパトナ~クシナガラの移動の途中に行うかのどちらかでした。現在は、宿泊しての旅程を組む事も可能となり、少し離れた場所にあるケサリアも訪問しやすくなりました。
現在のバイシャリは、小さな農村です。