*魅惑のインド*ヴァスコ・ダ・ガマも訪れたコチン

広大な国土を持ち、さまざまな民族、文化にあふれるインド。いざ『インド旅行に行こう!』と思い立っても、一体、どこに行って何を見るのが一番いいのか迷ってしまいます。

多くの方は、デリーを中心とした北インドを訪れ、タージマハルやガンジス河を巡る旅をまずは選ばれますが、もし、『次はインドの別の地域も見てみたい』と思われたら、「南インド」をおすすめします。

 

●南インドの魅力ってなに・・・?

世界遺産や歴史的建造物がたくさん残る北部に比べて、これといって「見るもの」がすぐには思い浮かばない南部。なにを目的に旅をするのか、いまいちわかりづらいかもしれません。

北に劣らず、または北よりもずっと素敵な場所なのに、もったいない!! ということで、インド南西に位置する「コチン」で味わえる“南インドの魅力”についてお伝えしたいと思います。

 

●景色と人にいやされる

コチンはケララ州最大の都市です。ケララの名前の由来は「ケーラー(ヒンディー語)=バナナ」、すなわち「バナナ州」。バナナや椰子の木がいっぱいの南国の雰囲気あふれる地域です。

さらに、暖かい地域独特の温和な人柄の持ち主が多いのか、「人がやさしい」です。旅行中、「おおらかで親切な人が多いな~!」と感じることが度々ありました。

インドでは“悪名高き”警察官までもが穏やかで親切だったのには、心底、驚きました。というのもインドの警察といえば、権力を盾に弱いものいじめをしたり、賄賂を要求したり、インド映画でもよく登場する「悪徳警官」そのものの、本当に最悪の印象しかなかったからです。

もちろん北インドにも心の温かい方々がたくさんいますが、そうではない人たちと遭遇してしまうことも、ままあります。エキサイティングな旅ができるのがインドの楽しさですが、関わる人々もエキサイティングな方ばかりだと心身ともに疲れてしまいそう。ところが南では人々の優しさが疲れを癒してくれるので、何度でも行きたくなってしまうのです。

人々と景色に心癒され、のんびり楽しい時間を過ごせる、というのが最大の魅力だと思います。

 

●緑に囲まれた水郷地帯をボートでのんびり

観光に訪れたい一番のスポットはやはり、「バックウォーター・クルーズ」です。

迷路のように細い水路がたくさんあって、小さなボートやハウスボートでのんびりぷかぷか進みます。途中の中洲のようなところで降りて昼食をとったり、やし酒を作る工場を見学したり。

水郷地帯の中にあるリゾートホテルに宿泊するのもいいかもしれません。ハワイやプーケットとは一味違う、癒しのときが過ごせます。

 

●めずらしい南インド料理を堪能

食べ物は日本で見慣れた「インド料理」とはちょっぴり違っていますが、気候に合っていて、それなりに美味しいです。

私たちが思い描く、油をたっぷり使ったこってり味の「インドカレー」は、ムガル時代に中東からもたらされたイスラム文化と混ざった料理です。南で味わう、「元祖インドカレー」は、さらりととしていて独特の酸味と辛さをもった全くの別物です。

カレーのルーだけでなく、お米で作った主食のウタパムやイドリーやドーサは発効させて作るので、ほんのり酸っぱさがあります。日本ではあまり味わえませんので、ぜひとも現地でご賞味ください。

街中やホテルには北インドカレーを提供するレストランもありますので、日替わりで楽しむと毎日カレーでも飽きません。

 

また、アラビア海を望む町だからこその醍醐味は、シーフード!!

チャイニーズ・フィッシングネットは観光地としても有名ですが、一番の楽しみは、獲れたての魚介類を買えること。(漁が休みの日曜日を除く) 新鮮なイカやえび、お魚を、近くのレストランに持ち込んで、茹でたり焼いたり、好みに合わせて調理してもらうこともできます。

インドの風に吹かれながら食べる新鮮な食材のお料理は、本当に最高です♪

 

●街歩きもまた楽し

町にはキリスト教会やユダヤ協会、ヨーロッパ風の建物が建ち並び、インドのほかの都市の風景とはちょっと違っています。それは、ここが昔、ポルトガルの植民地だったからです。探検家ヴァスコ・ダ・ガマがアフリカを経てのインド航路を発見したことで交易が始まり、後に占領されてしまったという歴史も、ちょっとだけ頭に入れつつ、今は穏やかな街並みを歩いてみましょう。

骨董品やおしゃれ雑貨の店をのぞきながらのんびりと。交通量はそれほど多くなく、北インドの観光地のようにリキシャの客引きや自称ガイドからしつこく声をかけられることも少ないです。

 

●古典舞踊 カタカリダンス

コチンの魅力は、西欧の趣があるだけなく、インド古来の文化も残っているところ。

かならず見ておきたいのが「カタカリダンス」。これは、日本の歌舞伎のように、派手なお化粧とカラフルな衣装を身に着けた男性のみによって演じられる古典舞踊です。題目は、古代インドより伝わる叙事詩マハーバーラタ。神様と神様が戦う、なが~い物語ですが、ストーリーを知らなくたって、動作や顔の表情などを見ていればなんとなく「喜んでる」「怒ってる」「すごく怒ってる」などがわかります。

この踊りの楽しみは、準備段階から始まっています。見世物小屋のようなものが何箇所かあり、どこでもだいたい夜に踊りがはじまりますが、夕方頃に小屋の近くを歩いていると、準備しているところが見られます。

白塗りをして、アイラインを引いて、目の中に木の実を入れて充血させ、ボリュームのあるスカートをはき・・・ほっそりとした普通のお兄さんが、だんだんとおそろしく威厳のある神様の姿になっていきます。化粧の途中の姿の写真をとってもぜんぜんオッケー!北インドなら『写真撮影代(チップ)』をすかさず要求されそうですが、ここでは誰もそんなことしません。

ぬりぬり…

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ジャーン!

 

南インドには、旅人をやさしく受け入れてくれる「おおらかさ」があります。

家族旅行でも、ご友人とでも、カップルでも、一人旅でも、初めてのインド旅行でも、何度目かのインド旅行でも、きっとあなたを幸せな気持ちにしてくれるでしょう。

 

コチンのほかにも、南端のカニャクマリ(コモリン岬)や、南東のタミルナード州の都市など、魅力的な町がたくさんありますので、いずれご案内できれば、と思っております。。。

 

<南インドをのんびり楽しむツアーはこちら>

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