
■建造時期:紀元後5世紀~7世紀
“人物を模った仏像”が初めて造られた3世紀以降の建造のため、後期のチャイティア窟には「仏像の彫刻」が多く見られることが、前期とは大きく異なる特徴です。
隙間なくほどこされた彫刻には、石匠たちの“静かで熱い魂”が、刻み込まれています。
洞窟の静けさの中、いにしえの時代にタイムスリップしたかのような感覚にとらわれます。
●チャイティア(祠堂)
第19窟
宮殿のような風格のエントランス。

神々やお釈迦様の像は、後の時代に追加で彫られたと見られます。

内部は、木造建築の天井の梁を模したデザインです。

ストゥーパの前面にも仏像が彫られています。
第26窟
一見、第19窟と似ていますが、奥深く掘られ隅々まで装飾をほどこされた、一層大きく豪華な石窟です。

最も遅い時期の5世紀末より掘削され、素朴なデザインの初期の石窟に比べると、隅々にまで緻密に装飾され、保存状態もよく残ります。
柱の上部も隙間なく彫刻がほどこされています。

柱の奥の壁には彫刻がぎっしり。

「降魔図」とみられるお釈迦様の座像。

全長7mもの涅槃仏。

第29窟
未完成です。
ヴィハーラ(僧院)石窟
第1窟
石窟群の一番手前にあり、後期を代表する石窟。
内部の壁面に描かれた蓮華手菩薩(菩薩:悟りを開く前のお釈迦様)。

この壁画はアジア各地の仏教美術にも大きな影響を与えました。(法隆寺金堂の壁画など)
その他、お釈迦様の前世の物語などが題材の壁画が残ります。
第2窟
仏像や壁画が残ります。
第3窟
未完成です。
第4窟
奥に祠堂が作られ、お釈迦様の座像が鎮座します。
第5窟
未完成です。
第6窟
第7窟
エントランスはどっしりとした構えの柱。

千体仏の彫刻。

奥の祠堂にはお釈迦様の座像。
第8窟
未完成です。発電室に使われています。
第11窟
奥に祠堂が作られ、お釈迦様の座像が鎮座します。
第14窟
未完成です。
第15窟
前期建造の第12、13窟と似ていますが、部屋があるのは左右の壁のみで、奥には祠堂のある造りです。
第16窟
16窟~26窟への階段の入口では2頭の象がひざまずいて迎えてくれます。

第17窟
1500年前のものとは思えないほど鮮やかな色彩の壁画が残ります。


一人ひとりの表情が、とても生き生きしています。

お釈迦様の前世の物語(ジャータカ)が題材です。

複雑な唐草模様と幾何学模様の天井画。

隅々まで美しく飾られています。
第18窟
第20窟
奥に祠堂が作られ、お釈迦様の座像が鎮座します。
第21窟
第22窟~第25窟
未完成です。
第27窟
第28窟
※第3、5、8、23~25、29、30石窟は未完成ですが、「建造の行程がわかる見本」として、これはこれで貴重な歴史的遺構です。

のみで少しずつ掘った跡が残ります。
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