お釈迦様は、涅槃の3ヶ月前、ラジギール滞在中に自身の涅槃(死)を直感されます。故郷のカピラ城を目指し、最後の遊行に出発されました。
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バイシャリの北西50キロ、クシナガラへ向かう道の途中に、ケサリアの遺跡はあります。周囲に何もない湿地帯に建つ、遠目には丘のように見えるストゥーパは未だ調査中です。正式な報告書も作成されていないため、詳細は不明ですが、紀元後3世紀~8世紀のいずれかの時期に建立されたと推測されています。その存在は古くから知られていましたが、1998年にインド政府考古局が一部の発掘調査を行ったことで関心を集め、その規模の大きさから各方面より注目されることとなりました。
創建時には直径122m・高さ45mあったと推定され、8世紀造営のインドネシアのボロブドールのストゥーパー(基壇の1辺が115m・高さ42m)と大きさで比べると、わずかに上回りますが、現在は、1934年の地震により大きく崩壊し、高さは32mとなっています。階段状に6層のテラスがある形状で、基壇より2層目から4層目にはテラコッタ仏像を納める仏龕(ぶつがん・仏像を安置する空間)を配する、独特の構造をしています。大型ストゥーパーの側面に仏龕がある例は、他にほとんどありません。
仏龕は規則的な幾何学模様を呈し、曼荼羅にも通じているように見て取れることから、インドで仏教が密教化していく時代、すなわちパーラ王朝の時代(8世紀)に、このケサリア・ストゥーパーが現在の外観となったのはないかと想像されます。
※パッケージツアーの基本プランにはケサリアの見学は含みませんが、ラジギールやバイシャリを訪れるコースに追加で組み込むことも可能です。(延泊が必要な場合もあります。)
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