ニガリーハワー 前世の過去仏の誕生地

古代の仏教では『お釈迦様が悟りを開いたのは、前世である「過去仏」の功徳が累積した結果』と考え、お釈迦様のみでなく、過去仏も礼拝の対象として重要視されました。これは仏教の根本理論の一つである「輪廻転生」の考え方で、『前世の功徳が大きさにより、来世が決定づけられる』という思想によります。

「釈迦の前世の過去仏」とは、以下の七仏です。(「七仏」にはお釈迦様も含まれるため、前世は「六仏」です。)

① 毘婆尸佛(ビバシブツ)
② 尸棄佛(シキブツ)
③ 毘舎浮佛(ビシャブツ)
④ 倶留孫佛(クルソンブツ)
⑤ 倶那含牟尼佛(クナゴンムニブツ)
⑥ 迦葉佛(カショウブツ)
⑦ 釈迦牟尼仏(シャカミニブツ)

ティラウラコットの北東5.5㎞に位置するニガリーハワーは、第5仏「倶那含牟尼佛」生誕の地とされ、アショカ王柱が建てられました。現存する2本の内1本の碑文には、『ピヤダシ王(=アショカ王)は戴冠14年を記念して、倶那含牟尼佛のストゥーパーを拡大し、戴冠20年を記念に敬意を払い石柱を建立した』と刻まれています。なお、横たわる石柱に残るチベット文字と孔雀の彫刻は、後世に刻まれたものです。

※ニガリーハワーへの道は整備がされておらず、道路の損壊や雨期の冠水により、たどり着けない場合があります。

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