【デリー現地情報】交通渋滞vs富裕層 あくなき戦い

インドの首都、デリーの人口は約1000万人、人口密度の高さでは、世界3位にランキングされるほどの過密状況です。(ちなみに1位は東京、2位はジャカルタ、4位はソウル・インチョン)

さらに近年のインドの経済成長に伴って、多くの人々の生活が豊かになり、自家用車の保有台数がここ数年で急増しています。

10年ほど前に日本のODAにより地下鉄が整備され、交通渋滞の緩和が期待されましたが、通勤に自家用車を使う人は増え続けていて、カバーしきれていません。

先週、デリーに行った際も、いつも悩まされている渋滞が以前よりもさらにひどくなっていました。いままで30分の移動だったところが今回は1時間かかったり、通勤ラッシュの時間帯は、ほとんど動けなかったり。

市当局も、この状況を放置しているわけではなく、半年ほど前に「ナンバープレートが奇数、偶数かによって、1日ずつ通行を制限する」という奇策に打って出ました。だいぶ乱暴なやり方ですが、1日の交通量が、約半分にできるわけですから、なかなか効果がありそう!

ところが、デリーの富裕層たちは、車を買い足し「奇数と偶数、両方のナンバープレートを所持」することで華麗にスルー・・・!

インドの人々は、政府や役人の強引で無茶なやり口に、すっかり慣れてるのでしょう。素早く機知にとんだ対抗策はさすがです。そして、すぐに車を買っちゃうほどの経済的な余裕があるのがすごい!

かくして連日、かわらず自家用車でご出勤とのことで、規制の効果は全くナシ・・・。ほどなく通行制限はうやむやになり、現在は行われていないようです。

 

というわけで、しばらくデリーの渋滞は解消されそうにありません。

これから旅行される方、訪問したい場所がたくさんある場合は、あらかじめ効率よく動けるルートを調べて、時間にゆとりを持ったスケジュールを計画しておかれたほうがよさそうです。または、どこか1カ所のエリア内にとどまって、じっくり過ごすのがおすすめです。

市内の移動には、地下鉄(デリーメトロ)をご利用ください。

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