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クシナガラ涅槃像の囲い
2017年02月02日 15:32
インド北部のクシナガラ(Kushinagar)は、お釈迦さまの亡くなられた地です。
クシナガラに朝日が昇るころ、この白い涅槃堂の扉が開き、クシナガラの1日がはじまります。
お釈迦さまが亡くなられた2月15日を 「涅槃の日」 といい、特に、そのあたりには世界各国の仏教徒がクシナガラを訪れます。気候が良いこともあり、日本からもたくさんのお坊さんが参拝に訪れます。
堂内には、6.1mもある涅槃像が安置されています。
5世紀グプタ王朝期の作品といわれています。(詳細はこちらでご紹介しています)
仏教徒にとって、2月15日に、この場で法要ができることは、とても感慨深いことのようで、「一生に一度は、涅槃をクシナガラで…」 という言葉も耳にします。
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この涅槃堂では、誰もが、思い思いのお花、布、金粉、線香を捧げることができ、神聖な気持ちになるとともに、お釈迦さまを身近に感じることのできることができる場所でした。
ところが2011年2月27日、「お釈迦さまの足の指に、ヒビが入る」という事件が起こってしまいました。
クシナガラのような小さい村では、これはもう「大事件」でした!
誰もが自由にお釈迦さまに触れることができるため、長年にわたり、無数の人々が御御足に寄りかかって祈りを捧げてきましが、ついに、お釈迦さまも、その重みに耐えられなくなったのでしょう。
↓数日後、お釈迦さまの周りに柵ができました。
お釈迦さまと私たちの間にできた隔たり。なんとなくですが、今までよりも少しだけ、お釈迦様の存在が遠くなった気がしました。
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インドの仏教遺跡の多くは、雨ざらしだったり、だれでも簡単に手で触れたり上に登ったりができるくらいに管理がゆるいのですが、今後はこんな風に変わっていくかもしれません。ちょっぴりさびしい気持ちになりますが、これから何十年、何百年も、人々の心を癒す存在でいていただくためには、このような形で守っていくことも必要なのでしょうね。